新築の注文住宅に地下室を設けるメリット・デメリットとは?
新築の注文住宅で、地下室を造る予定ですか?地下室があれば、非日常的な空間を手に入れられます。都心部では、大音量で楽しむ遊びがしにくい環境です。地下室があれば、これまでできなかった遊びを実現できます。今回は新築の注文住宅に地下室を設けるメリット・デメリットについて詳しくご紹介します。
新築の注文住宅に地下室を設けるメリット
地下室とは一体どんなものでしょうか?地下室とは、地面より下に造られた居室のことです。地面の中にあることから、周囲の人や隣人には気を使わないで過ごせます。では、新築の注文住宅に地下室を設けると一体どんなメリットがあるのでしょうか?こちらで詳しく解説します。
延床面積を広げられる
地下室を設けると、延床面積を広げられるメリットがあります。地下室を造る最大のメリットは、容積率の緩和を受けられることです。一般的に敷地には、容積率が決まっています。容積率とは、敷地面積に対する延床面積の割合のことです。簡単にいうと、延床面積が80㎡の敷地の場合、最大1.5倍まで増やせます。イメージ的には次のとおりになります。「80㎡(地上階の合計)+40㎡(地下室)=合計120㎡(延床面積の合計)」の延床面積の建物を建てられます。もし、敷地が狭く、延床面積が確保できないときには地下室を造ることで、延床面積を広げられます。
地下に防音室を造れる
地下室を設けると、地下に防音室を造れます。一般的に地上階に防音室を造ると、防音設備がかかるうえに、延床面積まで削ってしまい、そのほかの部屋を造れなくなります。ところが地下室を造ると、地面の中にあることから地面が自然の防音設備になってくれます。また、地上階の延床面積にも影響を与えないことから、地上階にはそのほかの部屋を造れます。地下室を設けることで、一石二鳥です。地下室に防音室を造ることで、ホームシアター・カラオケルーム・バンドスタジオとして利用できます。
地下に住宅の収納庫を造れる
地下室を設けると、地下に住宅の収納庫を造れるメリットがあります。地上階に住宅の収納庫を造ると、1部屋分が潰れてしまいます。ところが地下であれば、元々延床面積に入っていない場所なので、1部屋分追加で造れます。家中の不用品を地下室に収納でき、ほかの階に不要物を置かなくて済み、スッキリした住宅にできます。
新築の注文住宅に地下室を設けるデメリット
地下室を造ることで、延床面積が最大1.5倍に増えるので、敷地を有効利用できます。ただし、地下室にもデメリットがあります。では、新築の注文住宅に地下室を設けると一体どんなデメリットがあるのでしょうか?こちらで詳しく解説します。
湿気が高い
地下室を設けると、湿気が高いデメリットがあります。基本的に地下は地面の中なので湿気が高い場所です。雨が降ると、地中の湿度はあっという間に80~90%になります。そのため地下室の中もムシムシして息苦しさを感じることがあります。対策としては換気扇、または空気の出入り口を確保することです。またドライエリアを造ることで、換気能力が一気に高まります。ドライエリアとは、地下室の窓部とつながった空堀(からぼり)のことです。
自然光を浴びられない
地下室を設けると、自然光を浴びられないデメリットがあります。1日の中で、スポット的に短時間しか地下室を利用しなければ問題はありません。ところが地下室を仕事部屋にしていたり、居室にしたりしてしまうと太陽光を浴びられないので、段々と身体の調子が悪くなります。対策としては、ドライエリアを造ることをおすすめします。空堀があることで、地上と窓部がつながり自然光を浴びられます。
建設コストが高くなる
地下室を設けると、建設コストが高くなるデメリットがあります。理由は地下室を造るには、地面を掘る一手間が必要になるからです。そのため、地上階より建築コストが高くなります。また、地盤が弱いと地盤調査や地盤強化、防水工事をする必要が発生します。するとさらにコストが高くなります。
注文住宅に地下室を設ける際に注意するべきポイント
注文住宅で、地下室を設ける際には、一体どんなポイントに注意したほうがよいのでしょうか?注意すべきポイントは「地下にたまった水の排水」です。雨が降れば、近くの河川や下水の水位が上がります。地下室は地面よりも低いので、これらの水が地下室に入ってくることがあります。
またドライエリアがあれば、ドライエリアにも水がたまります。放っておけば、地下室は水浸しになります。対策は、ポンプを設置しておくことです。地下室に浸水した場合に備え、ポンプアップして水を地面に汲み上げられる仕組みを作っておきましょう。そうすることで、地下室への浸水被害をできるだけ小さく抑えられます。
まとめ
今回は新築の注文住宅に地下室を設けるメリット・デメリットについてご紹介しました。一般的に地下室を造ることはメリットが多い話です。ただし問題となるのは、地面の中にあるので予期せぬ被害に遭うおそれがあることです。地下室を造るときには、地上に建物を建てるときよりもより注意して建てることをおすすめします。本記事が、新築の注文住宅で地下室を造る人の参考になれば幸いです。