自然素材の家はなぜ体にやさしいの?内装材に自然素材を使うメリット

自然素材とは珪藻土や無垢材、コルク材、天然リノリウムなどのことです。この自然素材には化学物質が入っていません。自然素材を多く使用することにより、有害な化学物質を抑えた家を建てられるため体にやさしいといわれています。ここでは、化学物質の影響や自然素材を使用するメリット、デメリットを解説します。
シックハウス症候群は建材が原因になることがある
有害な化学物質を吸い込んでしまうとシックハウス症候群なる人がいるようです。シックハウス症候群になると、めまい、目がチカチカする、せき、のどの乾燥などが起きます。吐き気、頭痛、湿疹などを起こす人もいます。
シックハウス症候群を引き起こす化学物質としてはホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレンなどがあるようです。これらの化学物質は合板や壁紙、接着剤、塗料、防カビ材、ポリスチレン樹脂などの建材や建材を組み立てる接着剤、塗料として使用されています。
DIYで壁の張替をしようと考えている人は、しっかり下地材も確認しましょう。塗料、接着剤の成分の確認もしてください。
自然素材を使うとどんなメリットがあるのか
自然素材のメリットを自然素材ごとに紹介します。
■珪藻土
優れた湿度調整機能、防火性を持っている自然素材です。夏場は湿気を含んでくれ、冬場は湿気を放出してくれます。そのため、ダニやウイルス、カビなどの発生を抑制してくれる素材です。人が一番快適と思う40%から60%の湿度を保ち効果は半永久的に続くといわれています。
もともと七輪や耐火耐熱レンガの材料にもなっているくらいの防火性があります。また、音を吸収して室内の音が外に漏れにくくなる機能や臭いを吸収して室内の脱臭、消臭をしてくれる機能があるようです。この吸収作用には有害な化学物質を吸収する効果も期待できます。
■無垢材
肌触りがよく、時間が経過するごとに色合いがきれいになっていく性質があります。湿度調整機能や断熱性能もあるため、室内を快適過ごすことができるようです。木の香りでリラックス効果があることもメリットです。無垢材をフローリングで使用する場合は、低熱伝導率が有効的で、冬に無垢材フローリングの上に足を乗せていても冷たくなりづらいという特長があります。
■漆喰
空気中の二酸化炭素を吸収していく機能があるので呼吸する壁と呼ばれている自然素材です。漆喰は珪藻土と同じく、湿気調整機能と防火性を持っています。漆喰は燃えない素材のため防火性はとくに優れています。
二酸化炭素を吸って徐々に硬くなり、時間がたっても劣化しにくく見た目が変わらないという特性をもっているようです。子どもがもし壁に落書きしてしまった場合、普通のビニールクロスであれば張替が必要ですが、漆喰は塗り直せばいいというメンテナンスのしやすさもあります。
■天然リノリウム
天然リノリウムとは亜麻仁油やコルクの粉、松樹脂、石灰岩などが原料の素材で主に床材として使用されます。天然リノリウムは燃えにくく、抗菌性能があるようです。静電気が発生しにくいという特性もあるようです。静電気が発生すると、静電気にホコリが引き寄せられ吸着してします。
天然リノリウムの場合は静電気が発生しづらいためホコリが落ちて舞いにくく、ホコリが原因のシックハウス症候群を予防できるようです。水が染み込んだり変色をしたりすることもないので、ワックスは不要というメリットもあります。
デメリットも考慮しながら上手に取り入れよう
次に自然素材ごとのデメリットを紹介します。
■珪藻土
乾燥してくるとひび割れを起こすことがあるようです。珪藻土自体、固まらないため固化材を塗らなくてはならず施工に時間がかかるのと、工程が増えるため工事費用も割高になります。
■無垢材
乾燥してくると、変形や変色を起こすことがあります。無垢材を使用する場合は、よく乾燥させておいてから使用する必要があるようです。また、天然のものなので、色合いが統一できないこともデメリットです。
■漆喰
漆喰を施行する場合は、ビニールクロスのように接着剤を塗ってビニールクロスを張っておしまいというわけにはいかず、養生、下塗り、仕上げが必要なため、工事工程が長くなり工事費用も高くなります。珪藻土と同じくひび割れしやすいというデメリットがあります。
■天然リノリウム
天然リノリウムを施行した直後は脂っぽいにおいがするときがあるようです。また、天然リノリウムは合成素材のビニール製リノリウムに比べ高いというデメリットがあります。また、アルカリ性に弱いため洗剤を使用するときには、中性洗剤を使用しなければいけません。
自然素材を使用すると、総じて建築費用が割高になる傾向があります。しかし、割高になるということで自然素材を避け、安価な化学物質を含む材質を選んではいけません。現代の住宅は気密性が高く化学物質の影響を受けやすい構造です。せっかく住宅を新築しても病気になっては家を建てた意味がありません。
肌が弱い、アレルギーを持っている子どもがいる場合には、自然素材を使用することを前提として住宅を検討することをおすすめします。過ごしやすい家、安全安心な家、これが住まいを選ぶのに大切なことではないかと思います。