丈夫な家を建てるには?災害に強い家には何が必要なのか

日本は地震大国といわれており、毎年大きな地震が起きています。近年は東北大震災などの巨大地震も発生し、さらなる地震対策の必要性に迫られています。ここでは、個人として丈夫な家を建てるための基礎知識や災害に強い家には何が必要なのかを解説するので、住宅を新築するときの参考にしてください。
災害に備えて丈夫な家を建てよう
耐震性を高めるには3つの構造があります。
■耐震構造
家自体の強度を高め、地震の揺れに対応する構造です。柱と柱の間に筋交いを補強材として入れ、壁の耐震性を上げるように設計されます。
■制震構造
建物の壁などに地震の揺れを吸収する装置を設置した構造のことです。家自体の耐震性も高めたうえで、揺れを吸収する装置を設置して建物の損傷を防ぎます。
■免震構造
建物と基礎の間に地震の揺れを吸収する装置を設置する構造です。建物に揺れが伝わりづらいため、揺れが大幅に軽減されます。戸建ではあまり採用されておらず、マンションや商業施設でみられます。
■地震対策が必要な理由
巨大地震は住宅建築後1回だけ起きるというものではありません。二度、三度と起きます。一度目は震度7に耐えられたとしても、二度目の震度6強などに耐えられるか分かりません。一度目の巨大地震で目に見えない箇所の破損が起き、二度目に耐えられなくなるケースがあります。そのため、地震対策については今、できる限りの対策をしておくべきです。
地震に強い土地づくりも必要なケースがある
阪神大震災が起きた結果、2000年から木造住宅については地盤の強さに応じた基礎の設計することが義務付けられました。家だけの強度を上げても真の地震対策にはならないので、土地の地盤補強をする必要があります。もとから地盤が強ければ問題ないのですが、建築する場所が田んぼを埋め立てたところだったりするときには注意が必要です。地盤強度の調査を入れ、その結果に基づいた地盤の改良工事、基礎工事を行ってください。
家の構造で地震に備える
耐震性の高い構造として3つご紹介します。
■木造(2×4工法、ツーバイフォー工法)
木造壁式工法と呼ばれるもので、2インチ×4インチの角材と合板を組み合わせて建築します。日本古来の木造軸組み工法は柱や梁で骨組みを作るのではなく、壁を面として組み立てていくのです。揺れを壁で支えるため、木造軸組み工法より壁を自由に使いづらいという面があります。
■鉄骨造
軽量鉄骨と重量鉄骨の2種類あります。鉄骨を使用するので地震には強い構造です。鉄骨部分に水が入ってしまい錆が発生すると急激に強度が低下することと、ユニット工法などの場合、間取りを自由に作ることができないのが難点です。重量鉄骨造だと、建物重量が大きくなり、地盤補強のコストも大きくなるため採用しているハウスメーカーは少なくなります。
■鉄筋コンクリート造
地震の揺れ自体は伝わりやすいですが、強度としては強い構造です。かなりの重量があるため、建築するときには、地盤の補強をしっかり行う必要があります。建物と地盤の両方のコストが非常に大きいためマンションなど大規模建築で採用され、戸建ではあまり採用されていません。
最適な基礎工法を選ぼう
基礎は地盤の補強工事に関連するので、地盤補強の内容と基礎工法の両方を説明します。
■地盤補強
地盤調査の結果により地盤補強の内容が変わります。
1.補強なし
地盤調査の結果、地盤が強く地盤補強する必要がない場合です。
2.表層改良
地盤がやや弱い場合に行う地盤補強です。深さ約2m掘り起こし、約2m分の深さの土にコンクリートを混ぜて固める地盤補強。
3.柱状改良
地盤が弱い場合に行う地盤補強です。表層改良でも補強が難しいと判断された場合、土地に穴を開けてそこにコンクリートを流し込み、コンクリートの杭を作る工法です。作ったコンクリート杭の上に基礎を建設します。
4.鋼管杭
柱状改良と同じく地盤が弱い場合に行う地盤補強です。こちらは鋼管を土地に打ち込みます。この鋼管杭の上に基礎を作ります。
■基礎工法
1.布基礎
鉄筋の入っていないコンクリートで立ち上がっている部分と一体化させて、建物を立ち上がっている部分で支える基礎です。比較的地盤が強い土地に使用されます。
2.べた基礎
鉄筋の入ったコンクリートで立ち上がっている部分と一体化させる基礎です。こちらは布基礎と違い、面で建物を支える構造です。面で支えるため、建物の重量が分散されやすく地盤が弱いところに建築するときに適しています。全体的に鉄筋を配筋するので、布基礎に比べ費用が上がるケースがあります。
地震については建物自体の構造、土地の補強などを総合して対策をしましょう。また、各ハウスメーカーは地震について独自の研究を行っており、各社、地震に対して対策を行っています。そのため、各ハウスメーカーに独自の地震対策を確認するのもよいでしょう。
地震対策をすればするほどコストが上がってくるので、地震に強い地域で建築するときには、コストと地震対策を比較することも必要です。日本は地震が多く発生するので、地震対策はどうするのか必ず検討しておきましょう。新しい住まいで快適に過ごすには、まずその住まいが長年安心して使用できるということが大切です。